AI DJ Projectの新作『Ubiquitous Rhythm』を公開 – リアルタイムに音楽生成するAIとの即興演奏

人とAIが共生する新しい時代の創造性のかたちを予見する意欲作の世界初公演DJパフォーマンスと、アーティスト自らによる解説動画を公開

AIの活用による創造性の発展に取り組む株式会社Qosmo(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:徳井直生、以下「コズモ」)代表の徳井直生は人間とAIの共演による音楽創作の可能性を探求するAI DJ Projectの進化形である『AI DJ Project#2 Ubiquitous Rhythm』を発表します。今回の発表に先駆け、10月27日〜28日にかけてルーマニアで開催されたIAA主催のイベントCreativity4BetterにてAR技術を駆使したオンラインパフォーマンスを世界初公開しました。本日コズモはその様子を収録したビデオと、本システムの制作者かつ演者である徳井本人が解説したメイキングビデオを公開します。

■ AI DJ Projectとは AI DJ Projectの初期バージョンは2016年前後からAIと人間が交互に曲をかける「バック・トゥ・バック」のスタイルでDJを行なうプロジェクトとして、現役のDJである徳井によって開発されました。深層学習を使った選曲アルゴリズムを使って曲を選択するシステムを使い、これまでに2019年にアメリカで開催されたGoogle I/Oやフランス、スロベニア等世界各地でパフォーマンスを行ってきました。 今回その発展形として発表されたAI DJ Project#2では、事前に楽曲を用意することなくその場でAIによって生成された楽曲を用いてDJを行うという、格段に即興性の高いパフォーマンスにチャレンジしました。具体的には、リズムパターンとベースラインを生成するAIモデル及び「上モノ(リズムとベース以外のパート)」のループを選択する3つのAIモデルをアナログシンセサイザーに接続し、ターンテーブルやミキサーを通じて人間とAIが相互に反応しながらリアルタイムに音楽を作り上げていくシステムを確立しました。 これらのAIモデルは徳井が近年研究を重ねた結果として、音楽制作シーンなどで利用可能なAbleton Liveのプラグインとしても一般公開しております。本プロジェクトのさらなる技術的詳細については、プロジェクト解説ページを御覧ください。

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■ 今回公開するパフォーマンス映像と解説動画について 10月27日〜28日開催のIAA主催イベントCreativity4Betterにて世界初公開されたAI DJ Project#2のパフォーマンスにおいては、Dentsu Craft Tokyoのテクニカルチームの協力によりAR(拡張現実)技術を用いて、DJの目の前の空間に仮想的に表示されるインタフェースに、AIモデルが生成するシーケンスや選択されたループがリアルタイムに可視化されていきます。DJの背後には、音楽の展開に合わせて、オーディオを可視化するビジュアルが表示され、パフォーマンスの雰囲気を高めています。今回リリースされるのは前述のパフォーマンス本編のダイジェスト動画に加え、演者である徳井が同ビデオの技術的背景と、パフォーマンス中のAIとのインタラクションから感じたことを解説するメイキング動画となります。

■ 制作者・演者である徳井のコメント 「AIとの対話から生まれる新しい創造性を見出すために続けて来た本プロジェクトですが、今回のアップデートにおいてはどんな人間のDJだけでは到底実現できないこと、すなわち『パフォーマンス中にリアルタイムに作曲し、その場で演奏すること』を、AIの力を借りて実現することに取り組みました。すでにある曲をかけるというDJ行為そのものを再定義しようとする試みとも言えます。今回のパフォーマンスにおいてはこのシステムを開発した私さえも沢山の驚きを感じる場面があり、『未知の生物』と一緒にプレイしている感覚に襲われました。  このようにAIを使うことで、今まではあり得なかったような新しい表現の手法を開発することは、弊社コズモのミッションそのものを体現していると考えています。今後もDJに限らず広く音楽やアートそしてあらゆる種類のクリエイティビティーにおいてこのような進歩をもたらしたいと考えています。」

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