Artificial Discourse: すばらしい新世界に向けて
現在の大規模言語モデルから受ける違和感に着目したインスタレーション作品
「Artificial Discourse: すばらしい新世界に向けて」は、ChatGPTを使ってシミュレートした架空の人格を持つ3人のAIエージェントが、私たちの身の回りの複雑な問題について議論を行うインスタレーション作品です。各エージェントは、年齢や職業、性格といった属性を持ち、その設定に基づいて議題の解決に向けて発言するよう指示されています。ChatGPTを用いてエージェントの会話を生成したのちに、画像生成とリップシンク、ボイスクローン技術を組み合わせてエージェントに仮初の命を与えています。
OpenAIによって開発されたGPT-4モデルを使用し、プロンプトを入力することでロールプレイを行うことが可能になります。3人のAIエージェントに人格設定とテーマを与え、議論させ、その発言を文章として出力するプログラムを構築しました。全部で4台のモニターと3つのスピーカーを使用し、そのうち3台のモニターには宙吊りでエージェントの映像をそれぞれ投影し、上部に設置したスピーカーを通して音声を再生しています。モニターを体験者の目線に合わせることで、それぞれのエージェントの対話を意識できるようにし、エージェントがあたかも私たちの写し鏡であるかのように表現しました。
本作品は、ChatGPTをはじめとする現在の大規模言語モデルから受ける、ある種の違和感に着目し、理想のコミュニケーションという幻想の裏に見え隠れする、表層的になりがちな私たち自身のコミュニケーションの鏡像を映し出すものです。
Link
Exhibition
2023.12.15 - 2024.03.10 | 都市にひそむミエナイモノ展 (SusHi Tech Square)
Credits
Concept, Software Engineering: Ryosuke Nakajima (Qosmo) Software Engineering: Kazufumi Shibuya (Qosmo) Design: Naoki Ise (Qosmo) Artistic Direction: Nao Tokui (Qosmo)