社員インタビュー(インタラクティブAIエンジニア 中嶋亮介)

AI研究者、エンジニア、アーティスト、デザイナーなど、カルチャーの領域を横断するインターナショナルなメンバーが集まるQosmo。私たちは、技術的なスキルに加えて、“文化”に対する強い好奇心と探究心を大切にしています。 Qosmoで働くメンバーはどのような経緯でジョインすることになったのでしょうか。入社の経緯から大学で学んでいた領域や、個人の興味、携わっているプロジェクトまでをインタビュー形式で聞いてみました。第三弾はインタラクティブAIエンジニアの中嶋亮介さんです。

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Qosmo:中嶋亮介 95年生まれ、20年入社。 ポジション:インタラクティブAIエンジニア

最初に自己紹介をお願いします。

中嶋亮介と申します。慶應義塾大学環境情報学部(以下、SFC)で学び、修士1年の頃にQosmoにインターンとして入りました。卒業後は、そのまま新卒でQosmoに入社しています。

中嶋さんの学生時代について聞かせてください。学生の頃はどんなことに興味をお持ちでしたか。

プログラミングに興味はありましたが、SFCに入ったのは、人工知能がやりたいなどそういったことではなく、もともとゲームが好きだったということがきっかけです。個人的にゲームの改造などをやっていて、その流れでゲームってプログラミングで作るんだということを知り、そこからプログラミングに興味を持ちはじめました。だた、中学・高校とサッカー部だったこともあり、大学時代もサッカーに明け暮れていましたね。学部の頃は、いろいろなプログラミング言語の基礎を学びながら作品制作もしつつ、でも多くの時間はサッカーやってるみたいな生活を送っていました。ゼミは、脇田玲さんのところでデータビジュアライゼーションを学んでいました。

Qosmoを知った経緯について教えてください。 大学3年生になり、就職などを考え始めるタイミングで色々と調べるようになったんです。その頃、メディアアートを知るようになり、VJなどもやり始めました。NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]など、いろんな場所にも足を運ぶようになって、その時に徳井さん(弊社代表)の講演にも行きました。たしか「AI/ロボティクスは人を幸せにするのか?」をテーマにしたシンポジウムだったんですが、徳井さんの話しだけかなり異質な感じで。僕自身、もともとAIは最適化とかそういうイメージしかなかったんですが、徳井さんの講演では「AIと共創することで新しい表現を生み出していく」みたいな話で、特にAIをケビン・ケリー(『WIRED』誌の創刊編集長)からの引用で「Alien Intelligence(異質な知能)」として捉えるみたいな話が出ていてとても記憶に残っています。徳井さんやQosmoのことは、人工知能を用いて音楽とテクノロジーの未来を探求するイベント「2045」などで知ってはいたんですが、初めてしっかりお話を聞いたのがこのシンポジウムでした。でもQosmoのウェブサイトを見るとハードル高そうで英語もしゃべれないし、応募するには至らずという感じでした(笑)。その後、パリのアーティストグループ「Obvious」がAIで絵画を制作し、クリスティーズ(英・ロンドンで設立された世界中で知られているオークションハウス)に出品された肖像画が高額で落札されたというニュースが話題になり、そこからアートとAIの関係について勉強し始めました。

Qosmoを知ったもののインターン応募には至らずということでしたが、その後どのようなきっかけでQosmoに入られたんですか? 脇田さんのゼミにいた頃、博士でIAMAS卒のスコット・アレンさん(メディア・アーティスト)がいました。スコットさんと仲良くなり、作品制作を手伝ったり、彼の授業のTAをやったりしていたんですが、その授業のゲストレクチャーで堂園翔矢さん(コンピュテーショナル・デザイナー/プログラマー、2016年〜22年までQosmo所属)が来たんです。レクチャー後に飲み会があって、そこでインターン募集の話を聞き、応募しました。その時、ウェブサイトにはAIエンジニア募集って書いてあったんですが、僕自身その時あまりAIはやってなくて…。リアルタイムのビジュアライゼーションなどをやっていて、そのインターンが欲しいという話で、ウェブサイトには書いてなかったですが、堂園さん付きのインターンとしてQosmoに入ることになりました。

インターン後、そのままQosmoで働かれたいと思ったのは? SFCの修士に行ったのは、アート作品を作りたいとかエンジニアリングをしたいとか、そういった関心からではなく、哲学を勉強したいということがありました。もともとアートが好きだったというわけでも、絵が描けたとか、エンジニアリングがすごく出来たというわけでもない。ジェネラティブアートのような数式を使って絵を作っていた時も、自分が作っている作品なのかどうなのかよくわからないみたいなこともありました。それがクリスティーズでAIが生成した絵が売れたというニュースをきっかけに、アートとAIの関係性に強く興味を持つようになって。そこから、どちらかというと人の意識の話などに興味が移り、修士では人工知能と哲学などをやりたいなと思ったんです。Qosmoの作品は、最新技術はもちろん使っていますが、本質的には技術自体の哲学や、技術自体の意義を問うことが多いなと思っていて、そういうところが自分の興味と近いと思ったんです。

Qosmoのヴィジョンと共鳴するところが多くあったんですね。 こうした興味はQosmoに入る前から持っていましたが、インターンになって初めて参加した忘年会でこのことを徳井さんに話したら「哲学的なことも考え、技術もやれるところはQosmoしかないね」と言われました(笑)

現在の仕事内容を教えてください。 映像におけるビジュアルに関わる部分の多くを担当しています。大きく分けるとアート系と開発系(クライアントワーク)がありますが、アート系で言えば、AI DJの映像を作ったり、最近は、東京・有楽町駅前に新しくできたスペースSusHi Tech Squareに展示するアート作品の制作などがあります。作品のコンセプトを考え、制作に向けて色々実験するみたいなことをやっています。開発系では、AIモデルの学習やエンジニアリング寄りのことなどもします。結構いろいろやってる感じですね。

アートからクライアントワークまで多岐にわたりますが、プロジェクトにおいて大切にしていることはありますか。 もちろんプロジェクトの内容ごとに違いますが、映像に関してはとにかくクオリティは意識しています。AIを使って映像作るとなると、使っていること自体に意味を見出しがちですが、やってることがすごくて面白しろくてもクオリティがいまいちであれば、絶対使わないなど。そこは大切にしている点です。一方、開発系で大切にしていることは、最新技術は深くまで掘って調べてから使うということです。うわべだけで使ったりするようなことはしないようにしています。

印象に残っているプロジェクトを教えてください。 Emergent Rhythm”はMUTEKやSonarなど国内外のイベントに招聘してもらってパフォーマンスができたので印象に残っています。あとは、僕が修士2年の頃、徳井さんがSFCに来たのですが、その時、徳井ゼミで“UNLABELED”いうプロジェクトをやりました。そのプロジェクトはQosmoに入ってからも続いたので、特に思い出深いですね。AI監視社会から身を守るカモフラージュ柄の生成システムを開発するもので、最初はカモフラージュ柄をTシャツに貼り付けるところからスタートして、最終的には渋谷PARCOで期間限定でパーカーやトートバックなどを展示販売するまでに至りました。SFCのみんなで、それぞれの専門性を活かして取り組んだプロジェクトでもあったので、すごく思い入れがあります。

2022年12月MUTEK.JPでのライブパフォーマンスの様子。ビジュアルは中嶋が、音楽は徳井が担当する

実際にQosmoで働いてみて、どうですか?

まず、裁量が大きくとても自由があります。その分クオリティの高いものを出す必要があるので、やはり責任も伴いますね。少数のチームということもあり、基本ひとりで作っていくことが多いので、深い知識も必要ですが、横の知識も必要だと感じています。メンバー同士の雰囲気はとてもよいです。みんな結構オープンなので、最新ニュースからプライベートな話題まで、よく話しますね。職場も働きやすく、リモート勤務なども選べるので環境としてはとてもよいと思います。外国籍のメンバーもいるので、社内では英語のコミュニケーションが多いです。最初は英語が話せず、理解するまでに時間がかかったり話すことを少し躊躇するようなこともありました。ただ、みんなとても優しいので、英会話のクラスも取っていましたが、彼らとたくさん話すことでいつの間にか英語も上達していました(笑)

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夏の研修旅行の様子(右から2番目が中嶋)。サーフィンのレッスンがあるのはQosmoならでは

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夏の研修旅行でサーフィンをする中嶋

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春のお花見の様子

最後にQosmoに興味を持ってくださった方にメッセージをお願いします。

技術が使えることはもちろんスキルとして必要だと思いますが、それよりも意欲が大事だと思っています。英語もそうですが、色んなことを学びたい、吸収したいという意欲がある人。そういう方は、自分で色々と勉強していけますし、プロジェクトも提案しやすい環境なので、Qosmoにとっても、来てくれる方にとっても一緒に成長できる場所だと思っています。

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