幾何学アルゴリズムを用いた唐草模様生成システム
「資生堂唐草原画展」の開催に際し、Dentsu Lab Tokyo、アドブレーンと共同で「あたらしい唐草」をテーマとする映像インスタレーション作品《光合成 Photosynthesis》を制作。Qosmoは、幾何学アルゴリズムを用いて唐草模様を生成するシステムの制作、及び映像インスタレーションのテクニカルディレクション・開発を担当しました。
1920年から資生堂の商品や宣伝広告にデザインされてきた「資生堂唐草」。唐草は植物の生命力としなやかに無限に拡がる可能性を表し、時代やデザイナーによってスタイルを変えながら、資生堂を象徴するデザインとして現在にまで受け継がれています。「資生堂唐草原画展」は、資生堂で60年以上唐草文様を描き続けている描版師・薄希英氏の唐草文様の原画や唐草にまつわる商品を展示する展覧会です。
本プロジェクトでは、薄希英氏が描いた唐草文様の原画をベースに、Truchet Tilesと平面充填を組み合わせた幾何学アルゴリズムを用いて新たな唐草文様を生成するシステムを制作しました。薄希英氏が手で描いた唐草のデザイン要素を残しつつも、「多様なバリエーション」や「平面上に無限に広がる」などコンピュテーショナルデザインの特徴が組み合わさったハイブリッドな唐草生成システムとなっています。アルゴリズムだけで生成するのではなく、人とアルゴリズムが共創して唐草文様を生成するようなシステムを目指しました。
唐草は9種類使われており、1つの唐草だけではなく、複数種類の唐草を組み合わせて唐草文様を生成することもできます。
また、この唐草生成システムを用いて、映像インスタレーション作品《光合成 Photosynthesis》を制作しました。Qosmoは動的に唐草文様を生成・アニメーションするソフトウェアと、大小12枚のディスプレイに同期した映像を表示するシステムを開発・ディレクションしました。唐草文様を生成するために、銀座周辺の環境変化(日照量・雨量・CO2排出量・街の混雑状況)をインターネットからリアルタイムに取得し、唐草のパラメータとして使用。銀座を訪れるたびに変化する唐草文様を楽しむことができます。
本プロジェクトで開発した唐草生成システムは、映像インスタレーションだけではなく、パッケージデザインや紙袋、壁紙など多様なアウトプットに応用できる可能性を秘めています。インスタレーションに止まらず、汎用的なデザインツールとして幅広い展開に繋げていきたいと考えています。
Cannes Lions 2020/2021 – Digital Craft Lions部門でブロンズ、The One Show 2020 – Design: Branding/Identity System部門でブロンズ、 釜山国際広告祭 AD STARS 2020 – Design:Communication Design:Digital design部門でシルバー賞を受賞しました。
Yoji Nobuto(Shiseido)
Yu Miura(Shiseido)
Keisuke Hori(Shiseido)
Kizuki Nakano(Shiseido)
Sachiko Takamine(Shiseido)
Naoki Tanaka(Dentsu Lab Tokyo)
Yusuke Koyanagi(Dentsu Lab Tokyo)
Kenji Ozaki(DENTSU LIVE INC.)
Kyoko Yonezawa(Dentsu Lab Tokyo)
Shintaro Murakami(Dentsu Lab Tokyo)
Risako Kawashima(Dentsu Lab Tokyo)
Shoya Dozono(Qosmo/Dentsu Craft Tokyo)
Ryosuke Nakajima(Qosmo)
Makoto Amano(Qosmo)
Yosuke Nakazato(HAKUTEN)
Koji Nakae(HAKUTEN)
Ryukei Aoyagi(HAKUTEN)
Kuwana isao(HAKUTEN)
Seishiro Tate(HAKUTEN)
waki process Bulld()
Airi Nakano(ADBRAIN)
Yuya Ogawa(ADBRAIN)
Shohei Nakajima(ADBRAIN)
Shunichi Yamashita(SHOEI INC.)
Junpei Takahara(SHOEI INC.)