「NeuCraft(ニュークラフト)」は、伝統工芸にAIを活用する取り組みとして、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)と京都・宇治の朝日焼十六世 松林豊斎氏とともに進めている共同プロジェクトです。本プロジェクトは、2022年に初めて実施された「NeuCraft」の取り組みの継続としてスタートしたもので、AI技術と伝統技法の融合による新たな価値創出を目指しています。
今回のプロジェクトでは、多種多様な画像にて学習された画像生成AIモデルを土台として使用しました。そのモデルに対して朝日焼の作品画像を追加で学習させることで、朝日焼ならではのスタイルを表現できるように調整を行いました。また、作家がAIモデルを最大限活用できるような生成システムの開発を支援しました。これにより、朝日焼の伝統的なスタイルを踏襲しながらも、幅広いデータに基づく多様なインスピレーションを得ることができ、従来にはなかった新たなデザインの創出が可能となっています。
また、プロンプトのみを入力してAIに画像を生成させる一方向のプロセスではなく、作家が生成結果に対して形状を指定したり、出力された画像を再度生成のベースとするなど、職人とAIが相互に関わり合いながら共に作品を作り上げる仕組みを取り入れています。数百年にわたり受け継がれてきた朝日焼の美意識を持つ作家とAIが共創を通して、AIが職人に新たなインスピレーションをもたらすことで、これまでにない新たなデザインの創出を目指しています。 なお、このツールを活用して作成された作品は、2025年日本国際博覧会 関西パビリオン 京都ゾーン「ICHI-ZA KYOTO(一座きょうと)」にて展示されました。
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Exhibition
2025.05.12 - 2025.05.18 | 2025年日本国際博覧会 関西パビリオン 京都ゾーン「ICHI-ZA KYOTO(一座きょうと)」
Credits
Software Engineering: Keito Takaishi(Qosmo), Bogdan Teleaga(Qosmo), Ryosuke Nakajima(Qosmo)