Roland Soundscapes

環境と呼応し、変化しつづけるサウンドインスタレーション

2026

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ローランド株式会社の新社屋「Rolans Inspiration Hub」の竣工にあわせて公開された、没入型サウンドインスタレーション“Roland Soundscapes”のシステム設計・開発を担当しました。

本プロジェクトでは、天候、時間帯、人の動きといった環境要素をリアルタイムに取り込み、音楽が状況に応じて変化し続ける音響システムを構築しました。あらかじめ用意された楽曲を再生するのではなく、環境と相互に作用しながら、音楽そのものが移ろい続ける体験を目指しています。

ベースとなる楽曲は、アーティストのSakura Tsurutaさんによる、さまざまなムードや編成をもつ4つの音楽セットをもとに、全20トラックのキーやモード、テンポなどを自由に行き来できる構成としています。これらの変化は、天候や時間、人の動きといった外部入力によって制御されます。

8台のスピーカーシステムにより、音は空間内を移ろいながらフェードイン/フェードアウトし、常に異なる表情を見せるインスタレーション体験を生み出します。さらに、毎日15時から30分間は、Sakuraさんのピアノ演奏を学習データとした新しい即興演奏が生成、再生されるなど、日々異なるパフォーマンスが立ち上がる仕組みも組み込んでいます。

System

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システム図

本プロジェクトのサウンドシステムは、あらかじめ固定された楽曲を切り替えて再生するものではなく、音楽を構成する要素(キー、モード、テンポ、音の配置など)を分解し、それらをリアルタイムに再構成する仕組みとして設計されています。

各楽曲は、一定の制約条件をもった生成的な構造に変換されており、天候データや時間帯、人の動きといった外部入力をもとに、少しずつ変化していきます。変化はランダムではなく、統計的なルールに基づいて制御されているため、全体としての音楽的な一貫性を保ちながら、常に異なる展開が生まれます。

Sound Samples

インタラクションと環境データ

来場者の行動や屋外の環境情報が音楽の変化に直接影響します。空間内に設置されたセンサーは来場者の位置や動きを検知し、特定の音の定位や振る舞いに反映されます。また、外部の天候データや時間帯といった環境情報は、楽曲全体の響きや雰囲気に作用し、音楽のモードや展開に変化を与えます。

これらの入力は、即時に反映されるだけでなく、時間の経過とともに緩やかに影響を及ぼすよう設計されています。人や環境の変化が、そのまま音楽の状態として積み重なっていくことで、展示空間と音楽が持続的に相互作用する関係が生まれます。

空間音響

音は8台のスピーカーによって空間内に配置され、それぞれの音源は特定の位置に固定されることなく、時間とともにゆっくりと移動します。複数の音が異なる場所から立ち上がり、重なり合いながらフェードイン/フェードアウトすることで、空間全体が一つの演奏体として機能します。

来場者の位置に応じて、音の重心が変化する場面もあり、音楽は「聴くもの」というよりも、「空間の中で生まれ、広がっていくもの」として体験されます。これにより、同じ場所にいても、立つ位置や動線によって異なる聴こえ方が生まれ、空間そのものが音楽表現の一部となります。

- Roland’s New Global Headquarters: Inside the Inspiration Hub

Client

ローランド株式会社

Credits

Project Leader: Tom Baker (Qosmo) Musical Composition: Sakura Tsuruta Artist Support: Yuta Shimizu (Elid) Engineer: Tom Baker (Qosmo) Technical Support: Naotake Masuda (Qosmo), Bogdan Teleaga(Qosmo) Technical and Artistic Supervision: Nao Tokui (Qosmo)